Kool-Aidを飲んではいけない理由:自分は自分【教えて! ママ・アミア!】

ママ・アミアSurvivingJapan LIFESTYLE

日本に住んでいるすべての外国人に贈る! 頑張っているあなたに、ママ・アミアのあったかくて、ときに厳しい、日本で生き抜くためのサバイバルコラム。メンタルのケアから、ゴミの出し方まで!? 寂しくなったらいつでもここに帰ってきてね!(もちろん日本人だって大歓迎!)
今回は”Kool-Aidを飲んではいけない”理由についてです。

「Kool-Aidを飲むな」の意味

たぶん生まれてなかったんじゃないかと思うの。1978年にジム・ジョーンズっていうカルトのリーダーが、南米ガイアナのジョーンズタウンでメンバーと一緒に集団自殺(900人以上)をしたとき。アメリカで有名な“Kool-Aid”という粉末飲料に毒を入れたのを飲んで、そこから始まったのよね、「Kool-Aidを飲むな」っていう表現。ほかにも「彼はKool-Aidを飲んでしまってる」など。これは、他人の意見をむやみに信じる、鵜呑みにするっていう意味ね。

ママ・アミア:Kool-Aidの画像

ルールがあって、正しい行いに対して厳しい日本では、周りに合わせた行動を取らなくてはと思うかもしれないけど、これって気をつけてもらいたいの。ルールを守るなとは言ってないわよ。でもね、自分の健康とか幸せを犠牲にしてまで守る必要もない。

どうしてこんなことを言うかって? 私もKool-Aidを飲んじゃったから。長い間、日本では「こうしなくてはいけない」という期待に合わせて来てたのね。そうしたために、本当ならやらないことまでやってしまった。あなた方にはこうしないでもらいたい。

権威主義はダメよ!

例えば。
病院に行ったときに、あまりにも変なことを言われたら、その通りにする必要はない。医者が言っていることがおかしいと思ったら、違う医者のところに行く。違う病院に行く。セカンドオピニオンをもらうと医者に嫌がられるからとか、申し訳ないとかはノー。自分の健康、自分の体なんだから、その医者がどう思うかなんて気にしなくてもいいの。

ママ・アミア:ピルの写真

今思えばバカみたいって思われるかもしれないけど、私は日本で育ったし、外国人として日本人が嫌がることはしちゃいけないという親の教えがあったの。
それで、近所だし、女性だから信頼できると思って通っていた医者がいたのね。この医者が言ってることはおかしいなって思っても、ここは日本だし、相手に悪いなと思って我慢して通い続けたの。その結果、取り返しのつかないことになってしまった。大きな病気になってしまったのよ。

おかしいと思ったら時点ですぐに通うのをやめるべきだったのに、お医者様は偉いってどこかで思っちゃったのね。日本育ちとしてではなく、アメリカ人としての私の規準で考えれば、こんなことしなかったのに。

パワハラなども日本の価値観に合わせる必要はなし

ママ・アミア:No

ほかにも、「忘年会ではお酒をたくさん飲むのが普通」と言われたとき。もう飲みたくなければノーといってもいいの。我慢して飲むなんて必要なし。

セクハラ、パワハラ、ジェンダーハラスメント。日本ではどう対応すればいいのか、味方になってくれる人がいるのか、人事に相談しても後から怒られるのかとか、不安があるかもしれないけれど、ハラスメントに対して我慢する必要もなし。

あなたはあなた。あなたの健康、ハピネスを犠牲にしてまで、日本の習慣にあわせる必要は一切ない。外国人だから行動を批判されるとか、みんなが見てるとか思うかもしれないけれど、自分を犠牲にするととにかく後が怖い。Kool-Aidを飲んでまで、自分が間違っていると思う行動を取らないで。

好き勝手やるのではなく、自分のポリシーを考える

後悔するって本当に辛い。罪悪感も辛い。あなたはあなたでいいの。単純にイヤだからとか、好き勝手やるんじゃなくて、賢く行動をとって、自分のポリシーに合わないときにどうするかをしっかり考える。これが重要。私もかつてKool-Aidを飲まなくてはいけないと考えてとった行動に、今、どれだけ後悔しているか。これを避けてもらいたいの。

簡単ではないわよ。でもね、「ノー」というスキルを今、身につけると後から楽になる。これも事実。だから自分は自分。Kool-Aid。飲まない。

ママ・アミア(MAMA AMIA)

料理人・タレント。日本育ちのアメリカ人。18歳で渡米、通訳やコンサルティング業に従事する。2011年、東日本大震災を受けて退職し、陸前高田市にてボランティアを開始。7年にわたり数々のメディアを通して世界に被災地の情報発信を続ける。2014年には岩手県知事から表彰、2018年には在サンフランシスコ日本総領事館から総領事表彰を授与された。
別名「Pie Queen」。ハードなボランティア活動で心が疲弊していたある日、故郷の食べ物——バターと砂糖が焼けるパイの香りに癒やされることに気づき、パイの販売を始める。2019年より「ママ・アミア」の名で活動開始。日本在住外国人のママとして元気を発信中。相撲が大好き。
所属事務所Profile

Food consultant/Talent. American born and raised in Japan. Returned to the US at age 18 for university, and continued on as an interpreter and US-Japan consultant. Came back to Japan in 2011 to volunteer in the aftermath of the Tohoku disaster and stayed on in Rikuzentakata (Iwate Prefecture) for seven years. Raised funds, liaised with major international media outlets for coverage of the city and region. One of the primary sources of information on the disaster region for foreigners. Recognized and awared by the Governor of Iwate in 2014 and the Consul General of the Japanese Consulate of San Francisco in 2018 for the work and dedication to promoting awareness. Also known as the PieQueen. Found the scent of baked goods was both food for the soul as well as emotionally therapeutic, she began a business selling American-style pies. Working as Mama Amia as of 2019 promoting cooking and baking using traditional Japanese ingredients and offering advice to foreigners in Japan as "your mother in Tokyo". Big fan of sumo.