外国人モデルのキャスティングガイド③|コミュニケーション・現場対応のポイント
外国人モデルを起用する際、「現場で日本語は通じるのか」「文化や価値観の違いによるトラブルは起きないのか」といった不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、外国人モデルのキャスティングにおいて特に重要となる現場でのコミュニケーションや文化的配慮、トラブル防止策について、実務目線で解説します。
1.現場で日本語は通じるの?
└ 現場通訳は必要?事務所のフォロー体制
2.言葉や文化の違いでトラブルになる?
└ 日本的な現場ルールは理解されている?
3.スケジュール管理とトラブル防止策
4.外国人モデル起用時のNGコミュニケーション例
5.外国人モデルのキャスティングに関するよくあるご質問(FAQ)
6.まとめ
1.現場で日本語は通じるの?
日本在住の外国人モデルは年々増えており、撮影現場でのコミュニケーションに支障がないレベルの日本語を話せるモデルも多く在籍しています。日常会話レベルの日本語が可能なモデルや、現場経験が豊富で簡単な指示(ポージングや立ち位置の調整など)が問題なく伝わるモデルも少なくありません。
もし言語面に不安がある場合は、キャスティング時に「日本語での会話が可能なモデル希望」と条件を伝えることで、より現場慣れしたモデルを選定することができます。
■現場通訳は必要?
モデルの言語対応に不安がある場合は、現場通訳の手配や事務所マネージャーの同行を検討すると安心です。比較的シンプルな撮影であれば、モデル事務所のマネージャーが同行し、通訳や進行をサポートするケースもあります。一方で、監督や演出意図を正確に伝える必要がある撮影や、複数のモデル事務所から出演者を手配する大規模案件では、専任の現場通訳がいることで現場がスムーズに進行します。
フリー・ウエイブでは、撮影当日のマネージャー同行によるサポートや、現場通訳の手配にも対応しています。必要に応じてお気軽にご相談ください。
▼お問い合わせはこちら
https://f-w.co.jp/contact
2.言葉や文化の違いでトラブルになる?
信頼できるモデル事務所では、モデルの語学力だけでなく、性格・現場の適性・日本文化の理解度を把握したうえでキャスティングを行います。在日外国人モデルの多くは、日本の撮影現場の慣習や文化にも慣れており、日本人モデルと大きな違いはありません。
万が一、現場で意思疎通の行き違いが起きた場合は、遠慮せず速やかに事務所へ連絡しましょう。文化的背景に配慮しながら、丁寧なコミュニケーションを心がけることが、円滑な撮影につながります。
■文化・宗教・生活習慣に関するチェックポイント
外国人モデルを起用する際には、以下の点を事前に確認しておくと安心です。
・出身国・宗教・国際情勢に関わる演出がある場合、事前にモデル本人の承諾が得られているか
・毛皮や革製品の使用可否など、衣装に関する制限や考え方があるか
・礼拝時間が決まっているなどスケジュール面で配慮が必要な場合があるか
・タトゥーの有無や露出範囲に関する制限があるか
日本とは文化や価値観が大きく異なる地域出身のモデルも多いため、事前理解が重要です。出身国や現在の国際情勢に関わる役柄や演出については、モデル本人にとってセンシティブなテーマとなる場合があります。そのため、役柄や設定内容を事前に説明したうえで、必ず本人の同意を得ておく必要があります。
また、日常的にウィッグやエクステンションを使用しているモデルも多いため、ヘアスタイルに関する確認も忘れずに行いましょう。
なお、撮影に慣れているモデルの場合、食事については自身で対応するケースも多く、過度に気を遣う必要はありません。ただし、撮影中に口に入れるものや身につけるものについては、アレルギーがないか等、事前確認を徹底することが大切です。

3.スケジュール管理とトラブル防止策
外国人モデルたちは、基本的に「フリーランス」として事務所に在籍するケースが多いです。そのため、複数のモデル事務所へモデルとして登録している場合もあります。その分綿密なスケジュール管理を本人が行うことになりますが、本人の不注意でダブルブッキングを起こしてしまったり、業界のルールを理解していないと思わぬトラブルに発展してしまうこともあります。案件のお問い合わせは、管理体制が整った信頼できるプロのモデル事務所を通すことをオススメします。
■意外と知らない外国人モデル発注時の注意ポイント
・香盤表には「終了時間」を明記する
終了時間を明記することで、深夜撮影や早朝撮影があった際、「AMとPMを間違えていた!」といったトラブル防止につながります。
・天候予備、オーバータイムの合意
野外ロケでの天候予備日の稼働や、オーバータイム等の追加必要が発生する可能性がある場合は、その有無について事前に合意を取っておくと良いでしょう。
・宿泊、移動に関する細かな負担への理解
撮影で宿泊や長距離の移動を伴う場合、交通・食事・宿泊(あごあしまくら)は、制作側が負担するのか、モデル(または所属事務所)側が負担するのかを明確にしておきましょう。一般的には、
また、モデルを選ぶ際は見た目だけではなく、人柄や協調性が必要になります。特に長時間拘束の現場や宿泊を伴う案件では、協力的で柔軟性のあるモデルを選ぶことが成功のカギです。
しかし、どのモデルがどんな案件に向いているかを、モデルカタログやコンポジットで把握することは困難です。
フリー・ウエイブでは独自のシステムを使用し、モデルたちの得意分野を把握しております。もし不安なことがございましたら、「現場対応が丁寧なモデルを希望」等お伝え頂ければ、最適な候補をご提案いたします。
▼モデルキャスティングのお問い合わせはこちら
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4. 外国人モデル起用時のNGコミュニケーション例
文化や歴史的背景の異なる人が集まる撮影現場では、何気ない言葉や表現が思わぬトラブルにつながることがあります。
例えば、日本語の「苦い」という言葉は、英語圏では人種差別的スラングと響きが似ているため、黒人モデルの前での使用は避けた方が無難です。日本人同士では問題にならない表現でも、文化的な配慮が必要な場面は多くあることを頭に入れておきましょう。
■外国人モデル起用時のNG例
<文化・人種に関するNG>
・政治・宗教を話題にしない
政治や宗教は非常にセンシティブなテーマです。他国の政治批判や特定の宗教・文化を揶揄する発言は避けましょう。
・特定の人種をステレオタイプ化する演出
黒塗りや白塗り、着け鼻、民族的特徴を誇張する演出などは厳禁です。「外国人=金髪・青い瞳」「黒人だから部族衣装」といった発想は控え、出演するモデルの出身国や文化的背景を無視した演出は避けましょう。
・「ガイジン」と呼ばない
「ガイジン」は差別的なニュアンスを含む表現と認識されています。必ず「外国人(がいこくじん)」と表現しましょう。
<コミュニケーション上のNG>
・「外国人=英語が得意」と決めつけない
外国人モデルの母国語は英語とは限りません。日本育ちで日本語がネイティブの方も多くいます。英語圏ではない国の出身のモデルもいることを、理解しておきましょう。
<現場マナーのNG>
・無断での髪色変更やカラースプレーの使用
外国人モデルの髪質は繊細な場合が多く、大きなダメージにつながる恐れがあります。演出上必要な場合は、必ず事前に事務所へ相談しましょう。
・屋外撮影での日焼け・疲労への配慮不足
白人の肌は日焼けに敏感なため、日焼け止めや日陰確保などの配慮が必要です。
・文化的背景を無視した演出決定
政治・宗教・出身国に関わる演出は、必ず事前に事務所へ内容と意図を共有してください。
・無断撮影・無断SNS投稿
事前許可のない撮影やSNS投稿はトラブルの原因になります。肖像権に関する意識は特に重要です。
・命令口調ではなく依頼トーンで伝える
強い指示口調は高圧的に受け取られることがあります。「〜お願いします」「Please」を意識し、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

5.外国人モデルのキャスティングに関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 外国人モデルでも、日本語でのコミュニケーションは問題ありませんか?
多くの在日外国人モデルは、撮影現場で必要な日本語を理解でき、簡単な指示や日常会話には問題なく対応できます。日本語対応に不安がある場合は、キャスティング時に「日本語での会話が可能なモデル」を条件として伝えることで、現場慣れしたモデルを選定することが可能です。
Q2. 現場通訳は必ず手配したほうがよいのでしょうか?
必須ではありませんが、演出意図を正確に伝える必要がある撮影や、大規模案件では現場通訳がいると安心です。簡単な撮影であれば、モデル事務所のマネージャーが同行してサポートするケースもあります。案件の内容や規模に応じて判断するのが理想です。
Q3. 言葉や文化の違いによるトラブルが起きることはありますか?
信頼できるモデル事務所を通じてキャスティングを行えば、トラブルが起きるケースは多くありません。在日外国人モデルの多くは日本の現場文化に慣れていますが、万が一行き違いが生じた場合は、すぐに事務所へ相談することで円滑に解決できます。
Q4. 撮影前に文化や宗教について、どこまで配慮すべきですか?
すべてを細かく把握する必要はありませんが、衣装・演出・食事・宗教的配慮が必要な点については事前に確認しておくと安心です。特に政治的・宗教的背景が関係する演出や、肌や髪に影響を与える演出については、必ず事務所と事前に相談しましょう。
Q5. 外国人モデルへの指示は、どのような伝え方が望ましいですか?
命令口調ではなく、「〜お願いします」「Please」を意識した依頼トーンで伝えることが大切です。日本語で指示する場合も、丁寧な言葉遣いを心がけることで、モデルとの信頼関係が築きやすくなり、現場の雰囲気も良くなります。
6.まとめ
今回は外国人モデルをキャスティングする際のコミュニケーションや、現場対応について解説しました。重要なのは言語の違いだけでなく、相手の文化的背景や価値観に配慮する姿勢です。
国籍や人種に関係なく、一緒に仕事をする相手をリスペクトする気持ちが、結果としてトラブル防止につながります。こうした意識を持って現場に臨むことで、外国人モデルとの撮影も、より円滑で質の高いものになるでしょう。
フリー・ウエイブでは、英語の現場通訳の手配や、経験豊富なマネージャーの同行サポートを行っており、東京を中心に全国の撮影現場で柔軟に対応しています。案件の規模や内容に応じて最適なサポート体制をご提案しますので、初めて外国人モデルを起用される場合でも安心してご相談いただけます。

(執筆者:高橋 睦実)
株式会社フリー・ウエイブ代表取締役。1992年に外国人ダンサーやモデルをマネージメントする有限会社フリー・ウエイブを創業し、2003年に株式会社へ改組。広告・TVCM・映像・イベントまで幅広く手掛け、業界屈指の大規模外国人モデル事務所を築き上げる。
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