日本のモデル事務所「4つの系統」とは?得意分野と代表12社を比較
株式会社フリー・ウエイブがお届けする、キャスティング成功のための「パートナー選びの教科書」
以前公開したブログ記事『フリーランスモデルとモデル事務所、現場を支える「賢い使い分け」とは?』では、「なぜフリーランスではなく、モデル事務所に所属するモデルを起用すべきなのか?」というテーマをお届けしました。
権利処理の明確さや、ドタキャンなどのトラブルを防ぐ組織的なリスクマネジメント、そして現場を円滑に回すプロとしての対応力など、「事務所を通すメリット(制作チームの保険としての価値)」をご理解いただけたかと思います。
▼こちらのブログ記事もあわせてご参照ください
フリーランスモデルとモデル事務所、現場を支える「賢い使い分け」とは?
しかし、プロを起用するメリットは分かっても、無数にあるモデル事務所の中から自社のプロジェクトに最適なパートナーを見つけ出すのは容易ではありません。そこで今回は、国内外のプロデューサー、ディレクター、マーケターの皆様に向けて、モデル事務所の「仕事・目的別4分類」と、具体的な選び方をプロの視点から徹底解説します。予算と効果を最大化し、狙い通りのビジュアルを作り上げるためのパートナー選びに、ぜひお役立てください。
モデル事務所「4つの系統」とそれぞれの得意分野
① 広告コマーシャル系(TVCM・カタログ・企業PV)
∟セントラルジャパン(CENTRAL JAPAN)
∟オスカープロモーション(OSCAR PROMOTION)
∟フリー・ウエイブ(FREE WAVE)
② グローバル・インターナショナル系(海外案件・インバウンドPR)
∟フリー・ウエイブ(FREE WAVE)
∟REMIX(リミックス)
∟アボカド(AVOCADO)
③ ファッション・モード系(ショー・雑誌・EC)
∟サトルジャパン(SATORU JAPAN)
∟ボン イマージュ(Bon Image)
∟ドンナモデルズ(Donna Models)
④ パーツ・スペシャリスト系(手・髪・特定部位)
∟Silk Hair Parts Model Agency
∟クリエートジャパンエージェンシー(CREATE JAPAN AGENCY)
∟ジャズモデルエージェンシー(JAZZ MODEL AGENCY)
まとめ:プロジェクトの「目的」に合った系統を見極めることが第一歩
モデル事務所「4つの系統」とそれぞれの得意分野
日本のモデル事務所は、得意とするメディアや案件のジャンルによって大きく4つの系統に分類されます。自社の案件がどれに該当するかで、相談すべき事務所が変わります。
① 広告・コマーシャル系(TVCM・カタログ・企業PV)
親しみやすさ、清潔感、高い好感度を武器に、一般消費者に向けたあらゆる商業広告で活躍するモデルが所属する事務所です。ストーリー性のある演技力を求められる動画案件にも対応します。

<主な仕事(案件)>
・TVCM・動画広告・WEBメディア:テレビCM、タクシー広告、トレインチャンネル、Web、YouTube/SNS、タイアップ記事など
・コーポレート・ビジネス媒体:企業の公式サイト、採用メディア、パンフレットなど
・各種スチール:商品パッケージ、カタログ、イベント用POP、アパレルECサイトなど
<業界の代表的な事務所>
1.セントラルジャパン(CENTRAL JAPAN)
1964年創業、60年以上の歴史を誇る老舗事務所です 。名古屋本社と東京オフィスの2大拠点を構え、テレビやスチール、Web広告、カタログなど、商業広告の分野において安定した実績と高い信頼性を誇ります。
2.オスカープロモーション(OSCAR PROMOTION)
日本最大規模を誇る総合プロモーション事務所です。全世代を網羅する強力な広告モデル部門を擁し、独自のレッスン体制で教育された、企業のブランドイメージを体現できる質の高い人材を安定して起用できます。
3.フリー・ウエイブ(FREE WAVE)
ハーフや外国人モデルを擁し、国内大手企業のTVCMやWEB、カタログ等の広告実績が極めて豊富。高い好感度と確かな演技力を兼ね備えた実力派が、あらゆる商業プロモーションに柔軟かつ迅速に対応します。
② グローバル・インターナショナル系(海外案件・インバウンドPR)
日本国内での多国籍なプロモーションはもちろん、海外の映画・ドラマクルーが日本でロケを行う際、外国人・ハーフモデルのキャスティングにおいて最も頼りになる事務所です。

<主な仕事(案件)>
・グローバル企業のCM・プロモーション:外資系TVCM、ブランドムービー、Web、YouTube/SNSなど
・海外映像作品・配信ドラマ:Netflix、Amazonプライム・ビデオ などの配信ドラマ、ハリウッド映画など海外映画のキャストやエキストラ配役など
・インバウンドPR:自治体やホテルのPR動画、WEBメディア、外国人ファミリー向けの撮影など
<業界の代表的な事務所>
1.フリー・ウエイブ(FREE WAVE)
創業35年以上の信頼を誇る、登録者数約3,000名(100カ国以上)の国内最大級のグローバルエージェンシーです。広告案件でのモデル提案力はもちろん、英語での演技が可能な俳優やナレーターまで幅広く在籍しています。海外の映像制作クルーが日本でロケを行う際の対応力など「事務所としての国際的な実務対応力」において、国内外の制作現場から高い評価を得ています。
2.REMIX(リミックス)
20年以上の実績を持ち、数多くの外国人・ハーフモデルが所属するエージェンシーです。特に映画やMVなど「映像演技」が要求される案件に強みがあり、ダンサー、アスリートなど多彩な提案力を備えています。
3.アボカド(AVOCADO)
広告やファッション等の領域で、感度の高い外国人・ハーフモデルを擁する人気事務所です。業界内のネットワークも強固であり、ビジネスにおける高い信頼性と、洗練されたビジュアル表現を両立できます。
③ ファッション・モード系(ショー・雑誌・EC)
東京ガールズコレクション(TGC)などのファッションショーや、アパレルブランドのルックブック、ファッション雑誌を主戦場とする事務所です。圧倒的なスタイル、ビジュアルの世界観が重視されます。

<主な仕事(案件)>
・ファッション誌・メディア:国内外の主要ファッション誌や、WEBメディアでの撮影
・国内外のファッションショー:TGCなどの国内フェスや東京コレクション、世界の4大コレクションなど
・アパレルブランドのビジュアル撮影:シーズンルックブック、ECサイトの着用カットなど
<業界の代表的な事務所>
1.サトルジャパン(SATORU JAPAN)
国内外のファッションショーや有名誌で活躍するトップモデルを多数輩出する名門です。モデルを積極的に海外市場へ挑戦させるマネジメントに定評があり、ハーフや外国人の起用実績も極めて豊富です。
2.ボン イマージュ(Bon Image)
1980年設立、日本のファッション・広告業界で不動のステータスを誇るエージェントです 。外国人モデルの在籍数が非常に多く、ハイファッションショーから最先端のコスメ広告まで幅広く手がけています 。
3.ドンナモデルズ(Donna Models)
国内外のハイファッション誌やコレクションのランウェイで活躍する、アーティスティックなトップモデルを擁する名門です。ブランドの世界観をエッジの効いた表現で形にしたいプロジェクトに最適です。
④ パーツ・スペシャリスト系(手・髪・特定部位)
手、足、髪、肌など、身体の特定のパーツのみを専門に露出するプロフェッショナルな事務所です。

<主な仕事(案件)>
・美容・コスメ・ジュエリー:髪、肌、パーツの手元やデコルテ等の部分撮影
・生活家電・食品の操作・調理:スマホ操作、調理シーン、手元の動作を伴うCM撮影
<業界の代表的な事務所>
1.Silk Hair Parts Model Agency
日本国内で唯一のヘア(髪)に特化したパーツモデル専門事務所です 。所属モデル全員が厳格な美髪ケアを徹底しており、シャンプーや美容家電など「髪の美しさ」を訴求するクリエイティブで強みを発揮します 。
2.クリエートジャパンエージェンシー(CREATE JAPAN AGENCY)
パーツモデルのキャスティングにおいて業界屈指の実績を誇るエージェンシーです 。特にハンドモデルは20名以上が所属しており 、商品の魅力を引き立てる美しい手の動きを幅広い選択肢から柔軟に選定できます。
3.ジャズモデルエージェンシー(JAZZ MODEL AGENCY)
創業44年の歴史を誇る、パーツモデル界の老舗名門エージェンシーです。登録制ではなく専属所属制をとっており、大手企業のテレビCMや雑誌、ポスターなど、数多くの有名広告の手元・足元などのパーツカットを担ってきた確かな実績があります。
まとめ:プロジェクトの「目的」に合った系統を見極めることが第一歩
日本のモデル事務所は、その専門性から大きく4つの系統に分類され、それぞれに得意とするメディアやカバーできる領域が明確に異なります。
・グローバル・インターナショナル系:100カ国以上の多国籍な人材に対応し、海外案件や英語での契約・海外クルー対応をスムーズに進行
・ファッション・モード系:圧倒的なスタイルと世界観で、ブランドの新作発表会、ランウェイ、ハイエンドなアパレルECやシーズンカタログを牽引
・パーツ・スペシャリスト系:美容家電、ジュエリー、食品プロモーションなど、手(手タレ)や髪(ヘアモデル)といった特定部位のアップ撮影に特化
キャスティングにおけるミスマッチを未然に防ぎ、広告効果を最大化させるための第一歩は、自社の案件が「どの系統の専門性を必要としているか」を正しく見極めることです。
相談すべき系統が明確になったら、次はいよいよ実際の「事務所の選定・アプローチ」です。次回は、クライアント目線に立った具体的な「正しい事務所の選び方」を3つのステップでご紹介します。

(執筆者:高橋 睦実)
株式会社フリー・ウエイブ代表取締役。1992年に外国人ダンサーやモデルをマネージメントする有限会社フリー・ウエイブを創業し、2003年に株式会社へ改組。広告・TVCM・映像・イベントまで幅広く手掛け、業界屈指の大規模外国人モデル事務所を築き上げる。
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