世界中を旅行することが夢。
世界中の方々と仕事することはもっと大きな夢!
アメリカ出身のKellieさんは、ダンス、女優、映画制作など、様々なパフォーマンスを行っています。3歳で始めたダンスをきっかけにブロードウェイの舞台に立つなど、経験もキャリアも十分!そんなKellieさんの訪日は、全く準備なしのユニークなものでした。予想もしていなかった日本行き、そして日本で活躍するためのヒントなど、色々な視点でお話してもらいました。
夢中になれるダンスとの出会いは3歳
私は3歳からダンス(タップ・ジャズ・バレエ)を始めて、ステージでの初パフォーマンスを経験してから夢中になりました。幼少期の私は「ダンスこそパッション」という気持ちでダンス一筋の日々。9歳のとき、ダンススクールで『くるみ割り人形』の主役に抜擢されて、ステージ上でダンスと演技を同時に経験して、「これこそが私の進むべき道だわ!」と強く心に誓ったことを覚えています。
それから間もなく、自分も知らなかった“新たな私”を知る機会が訪れます。中学生のときに演技のレッスンを受け始めて、私は衝撃を受けました。ダンスと同じくらい、演技を心から楽しんでる自分がいたんです。つまり、ダンスの中で私が好きだったのは、ダンスで演じる部分だったり、ステージで自己表現することだったんですね。それからは演者として本格的に取り組むために、様々な勉強やトレーニングに挑戦しました。幸運な縁も私を導いてくれます。高校生のときにブロードウェイでパフォーマンスをしている先生と出会い、先生は私たちのダンスグループをニューヨークへ連れて行ってくれたんです。そしてミュージカルの集中レッスンクラスに参加。ミュージカル系のダンスや演技、ボイストレーニングを受けさせてもらいました。同じ頃に、チェスターバレエ団とサリスブリーリリックオペラカンパニーでプロとしてデビューを果たします。大学でも演劇や制作の勉強を続けて、NY大学とアルビンエイリ―ダンスシアターでミュージカルとダンスのワークショップも行いました。
日本行きは運命です!
プロデビュー後は、フロリダのディズニーワールドのMGMスタジオやマジックキングダムのショーに出演したり、パレードでダンサーをしていました。ある日、東京ディズニーランドのオーディションを受けるチャンスがあったんです。競争率は驚いて声が出ないほど。正直なところ、「多分受からないだろうなぁ」と思いながら、でもせっかくの機会なので一生懸命オーディションを受けました。すると、合格の電話がかかってきたんです!本当に信じられなくて、電話したままその場で何度も飛び跳ねました!「近いうちに日本に来れますか?」と聞かれて、気付けばANAのビジネスクラスで日本に向かっていました。日本の文化も知らず、日本語も全く話せないのに!でも、迷うという選択肢はありませんでした。私の新しい活躍の場は日本にあると信じて疑わなかったんです。
日本に到着後は、色々な方たちが新生活をサポートしてくれて、本当にありがたかったです。契約内容からピザの注文の仕方まで、何から何まで。東京ディズニーランドでは通訳もついてくれました。だから、余計なことは気にすることなく、しっかりと役作りなどに集中することができました。初来日は結構ユニークな方だと思います。
たくさんの夢が、私のエネルギー!
日本での一番嬉しくて楽しい仕事は『Lost & Found Cowboy』(脚本・監督:緒方篤)です。世界各国の文化が混ざったコメディで、私は、はじめの4話の主演女優だけでなく振り付けも担当しているんです。私の役-シンディ-は、世界をまたにかける旅人であるダンサーで、初めて訪れた日本で“浴衣カウボーイ®”という東京中をガイドしてくれる面白いキャラクターに出会い、様々なハプニングが起こっていきます。
『Lost & Found Cowboy』(脚本・監督:緒方篤)
私はコメディも大好きで、コメディ系の女優として有名になることも良い選択だと思っています。あと、映画の制作もしていて、撮影した短編映画が編集段階なので、完成したらプロモーションしていきたいです。ずっと昔に抱いていた「ブロードウェイで役をもらう」という一番大きな夢はすでに叶ったのですが、それ以降も色々な夢や目標ができて、「今、一番の夢は?」と聞かれたら困ってしまうかも。でも、それくらい毎日が楽しくて、この道に進んで良かったと心から思っています。
『Lost & Found Cowboy』(脚本・監督:緒方篤)
「行きたい場所リスト」を作るほど旅行が大好き
東南アジアを旅行することが好きで、機会があればタイの映画に出演してみたいと思っています。あと、仕事に関係なくても、世界中を訪れたいですね。私はシュノーケリングやスイミング、シーカヤックが趣味だから、世界中の島に行ってみたい。「行きたい場所リスト」を作っていて、モルディブ、タヒチ、小笠原諸島、トゥルム(メキシコ)、ハワイ諸島はずっとトップランク!最近、石垣島と竹富島に行く機会があって、本当に素晴らしかったんです。他の沖縄諸島にもできるだけ行ってみたいですね。
島以外の場所だと、ヨーロッパ(ドイツとオランダ)には一度しか行ったことがないから、他のヨーロッパの国も旅行してみたい。特にスペインなど地中海沿岸の国がいいですね。
最近は独り言も日本語です
日本に来て一番驚いたことは、私自身が日本語をかなり上手に話せるようになったことですね。最近では何かを考えるときも日本語だったり、独り言も日本語だったりします(笑)。違う国の言葉で話すことは、文化の違いもしっかり汲み取ることができるので楽しいです。このまま日本語の勉強を続けて、「通訳もできたら面白いかも」と考えているんですよ。
語学を勉強する方へのアドバイスとしては、「声に出して話す練習」が何より大切だと思います。例え単語をたくさん覚えたとしても、なかなか話すことができません。それは声に出すという練習が少ないからだと感じます。私は日本語を勉強しながら、たくさんの人とおしゃべりを楽しみました。だから、できるだけ声に出してみてください。コツは、単語を覚えるよりも、フレーズで覚えることですね。フレーズで覚えてしまえば、実際に話すときは文法も気にしなくていいからとても便利です。
その国の文化を知ることが成功の鍵
日本で俳優やパフォーマーとして活躍するためには、「礼儀」「時間」「忍耐力」が必要だと感じます。国によって文化は全く違うから、まずはプロとしての経験値よりも、文化を受け入れる姿勢が重要だと思いますね。そのほか、撮影やオーディションの場合もほとんどが日本語なので、日本語を話せればとても大きな武器になります。
私の印象だと、日本のテレビやCMの業界は、他の国よりも成約が厳しくなく、労働条件の幅はとても広いです。活躍しやすい環境だと感じますね。自分のパフォーマンスを試したい方には最高の環境だと思います。
本気で成功したいと願うなら、しっかりとプロモーションしてくれる信頼できる人も必要だと思います。そういう意味では、私が『FreeWave』と出会えたことはラッキーでした。マネージャーもみんな一人ひとりを気づかってくれますし、仕事の確認も丁寧に進めてくれるので安心ですよ。
『Lost & Found Cowboy』(脚本・監督:緒方篤)
たくさんの方々と色々な経験を重ねていきたい
これからも、女優・パフォーマーとして色々な経験を積んでいきたいです。私はロンドンにあるCompliciteっていう劇団が好きで、彼らとワークショップがしてみたいです!世田谷パブリックシアターとパートナーシップがあるから、「いつか東京で彼らと共演できるかも」と期待しています。
あと、私が一緒に仕事がしたい方は、俳優・監督のSteve Martin, Bill Murray, Tilda Swinton, Steve Buscemi, Christopher Guestですね。日本であれば、浅野忠信さん、オダギリジョーさん、北野武監督、荻上尚子監督と仕事がしたいです。作家では村上春樹さんの大ファンだから、彼の作品に関連するテレビ、ステージ、映画のお仕事ができたら最高ですね!
『Lost & Found Cowboy』(脚本・監督:緒方篤)
(TEXT:Kellie H/TRANSLATION:Megumi Kutsuzawa/EDITOR:Write Design )
夢という名のエネルギーと天使のような優しい心に溢れたアメリカ出身のアクトレス