外国人モデル事務所「株式会社フリー・ウエイブ」代表・高橋睦実の、モデルとして成功するための「モデルバイブル」。
「モデル事務所に面接に行くことが決まった!」
「何に気をつけたらいいの?」
面接やオーディションは、モデルになる夢への、第一歩。
ファーストインプレッションで好印象を与えることができれば、合格の確率が上がるうえに、何より、スムーズに仕事のチャンスに繋がります。
今回は、外国人モデル事務所のフリー・ウエイブの面接スタッフにも登場してもらい、実際の流れにそって、面接やオーディションで押さえてほしいポイントをお伝えします。
日本で働くにあたって、色んなところで使えるテクニックなので、ぜひ参考にしてください!
登場人物の紹介
睦実
株式会社フリー・ウエイブの代表。モデル業界歴は2019年現在、28年目に突入。チーズとナッツ、毛の長い猫が好き。
サバ缶(男)
これまで面接したモデル人数は100人以上。現場通訳も行い、映像関係の仕事にも就いていた。現場を知る最年少スタッフ。
くっつー(女)
元別事務所のマネージャで、現在は主に面接を担当。ダンサー経験があるため(?)全身を使ったモノマネが上手い。たまに海外に放浪しにゆく。
Kaori
聞き手&文。広報。モデル面接Web登録フォームもディレクション。飲みの席や給湯室、独り言など、マネージャたちのぼやきも参考にしている。
①モデル面接「事前の説明を読む」
やっぱりプロフィール登録から面接が始まっています
Kaori:
フリー・ウエイブでは、まずWeb登録フォームからプロフィールを送ってもらいます。
そして条件がマッチする人に面接の予約方法を返信しています。
睦実:
この時点で、「説明を読んでないな」と思うような問合せが来ると、困るんですよ。
理解力が低いと判断しますし、仕事は基本的にメールで依頼するので、「このひと、大丈夫かな」と、印象がよくないです。
Kaori:
返信メールや説明のWebページはよく読んで、メールの操作にも慣れておいたほうがいいですね。
困るのは、メールアドレスを間違える人。
「返事が来ないけどどうなってる?」と連絡をしてくる人がいる。
あと、複数のメールアドレスを持っている人も、問合せは、ひとつに統一したほうがいいですね。
毎日たくさんのメールが来るので、追跡できず、埋もれてしまいます!
②モデル面接「遅刻欠席NG・持ち物も完璧に」
無断キャンセルはチャンスの喪失
Kaori:
面接希望者の予約メールは、毎日やってきます。それもたくさん。
申し訳ないことに、面接が1ヶ月以上先になってしまうことも多いですね。
すると、忘れちゃうのか、気が変わっちゃうのか、当日来ないという人もけっこういる……。
くっつー:
連絡もなくキャンセルした人の2度目の面接予約は、基本的にはおことわりしています。
スケジュールにも余裕がないし、いざ仕事になったときに、ドタキャンされる可能性も考えますし。
時間厳守。遅刻はずっとレッテルを貼られます
睦実:
遅刻もだめ。「面接から遅刻した」と印象が残るので、この人は遅刻する人という、レッテルがずっと貼られます!
Kaori:
実際の現場は大勢のスタッフがいるので、モデルが遅刻して撮影が遅れるなんてことになったら、大クレームですもんね。
睦実:
だからといって、来るのが早すぎるのも困るんですよ(笑)。
せめて5分前、もしくはオンタイムがいいですね。
持ち物は準備万端か?
くっつー:
持ち物忘れる人、けっこう多いんです!!
必要なものは、面接予約の段階でメールで送っているので、かならず持ってきてほしいです。
Kaori:
うちの事務所だったら、何が必要なんですっけ?
くっつー:
パスポート、在留カード、写真とパフォーマンスのデータ。
あれば、マイナンバーカード、銀行のキャッシュカード。
あと、写真撮影用の着替えと、それに合わせた靴があればベストです。
(※2018年11月19日現在。登録に来る方は現在の情報を確認してください)
サバ缶:
契約書と、仕事についての説明ビデオも送っているので、事前にしっかり見てほしいです。
睦実:
これは大事です!
わたしたちは契約書にサインをしてもらうことより、この業界のルールを理解してもらいたい。だからビデオを作りました。
たまに見てこない人がいますが、やる気のない人と判断しますし、トラブルがあると怖いので、仕事を依頼できません。
Kaori:
すべて事前に送っているので、準備をお願いしますってことですね。
くっつー:
面接に来てもらったときに、必要なデータはぜんぶ貰えて、「コンポジットさえ作れば、お仕事準備OK!」っていうのがベスト。
帰ったあとにやりとりするのは、正直時間かかりますし、そのぶんだけ仕事のチャンスは遠のきます。
※コンポジット=モデルが仕事の際にクライアントに提出するプロフィールシート。
事務所がカッコイイものを作ってくれます!
③モデル面接「ファーストインプレッション」
ファッションは清潔感が大事です
Kaori:
「面接にはどんな格好で行けばいいのか?」これは気になるところですが。
睦実:
第一印象が大事です! 清潔感がない人はダメ。
汗のにおい、香水、化粧品のキツいにおい。
それと体臭・口臭のケアにも、気をつかってほしいですね。
体臭については、仕事のときに、衣装ににおいがついてクレームが来ることもあります。
Kaori:
撮影でも、みんなデオドラントを使ってから衣装を着ますしね。
睦実:
それと、ぐしゃぐしゃのシャツとか、袖口や襟が汚れているのを見てしまうと、私生活がだらしないのかな?って感じてしまいます。
これも、衣装を粗末に扱うんじゃないかって、心配になる。
サバ缶:
自分は、髪がバサバサだと、ちょっとなー……と。
Kaori:
外から来るから大変だろうけど、コンポジット用の写真も撮るわけだし、髪も清潔感、左右するよね。
服装はどうでしょう?
睦実:
ボディラインが見えないと、意味がない!
男女共通で、ピタッとしたもの……たとえば、タンクトップにスリムジーンズとか。白いTシャツでもいいですね。これにジャケットを羽織れば、スタイリッシュにも見えます。
色は、白や黒、紺が無難ですね。大きな柄やキャラクターものは撮影では映えません。
あと、メガネや帽子が似合う方は、ぜひ持参してください!
Kaori:
靴はどうでしょう?
睦実:
女性は、スニーカーより、ヒールがいいです。
よほどスタイルが良ければいいんですが、スニーカーよりヒールのほうが脚が長く見える、ということくらいは、モデルを目指すのであれば思いついてほしい。
男性は、革靴ですね。
Kaori:
ファッションセンスもそうですが、自分をアピールするためのセンスも必要ですね。
個性的すぎるファッションは起用時のイメージを奪う
睦実:
だからといって、ロリータやゴシックファッションは、勘弁してください(笑)。
第一印象で、固定されたイメージが出来上がってしまう!
Kaori:
イメージが出来上がると、仕事に影響しますか?
睦実:
わたしたちは、この人がどんなことに向いてるか、ぱっと見てイメージします。
「この子はウェディングにいけるな」、「教育系にいけるな」、という感じで。
だから、ロック、ロリータ、ゴシックといった個性的なファッションで来られてしまうと、想像がしにくい。
Kaori:
「ウェディングにぴったりな人」というイメージで探すときに、ゴリゴリにロックな人は思い出してもらえない。
つまり仕事の幅が狭まって、チャンスをすでに逃してしまう!
睦実:
モデルは「素材」なんです。
クライアントが持っているイメージが、先!
Kaori:
面接では、仕事の可能性を見られているわけですから、過度な見た目の個性は求められないんですね。
くっつー:
同じく、メイクも、濃すぎないほうがいいです。
気合いが入りすぎた、いわゆるケバいメイクは……。(笑)化粧の濃いイメージが残っちゃう。
たとえばダンサーで、かっこいい感じのイメージでやっていきたい、みたいな感じだったら、まあアリなのかなって気はしますけど。
でも、幅を持たせてほしい。
Kaori:
やっぱり、イメージをさせてほしいんですね。
くっつー:
そうですねえ。すっぴんも困るけど、厚すぎても困る。
キッズモデルはすっぴんでいいんですけど(笑)。
自分にどういうニーズがあるか想像するのも◎
サバ缶:
たとえばうちの事務所であれば、TVCMの仕事とか、広告系が多い。
「自分だったら、どういうCMで、どういうキャラで起用されるかな?」
って、イメージして面接に挑むのもオススメ!
Kaori:
CMのモデルだと、綺麗で背の高い、若い男女とは限らないもんね!
おじいさん、おばあさん、キッズ、がたいの良い人とか、キャラクター系も求められる。
サバ缶:
個性的すぎる格好はよくないけど、たとえば、「暖かい家族のお父さん役に向いてるかな?」って考えて、そういうイメージをさせる服装で来たり、服を持参したり。
Kaori:
なるほど。
くっつー:
でも、年齢と合ってないファッションは困りました……。
30代の人が、フリフリの少女のような服を着て来られたり……(笑)。
Kaori:
趣味だと、どうしても難しいところ(笑)。
とにかく、面接ではコンポジット用に写真も撮るので、「使えない格好」だと困るわけですね。
サバ缶:
極端な話、事務所に「5歳の子どもを探してます」っていう依頼が来たりする。
そのときに、バッチリ化粧した、ものすごく大人びた写真しかなかったら、相手はイメージしにくい。(笑)
だから、せめて1枚は、年相応の、ニーズにはまりやすいような写真を用意したい。
民族衣装の持参もぜひ!
くっつー:
あと、自分の国に民族衣装がある人は、どんどん持ってきてほしい!
Kaori:
着替えるのが大変な場合とか、写真を持参でもOK?
くっつー:
ちゃんとした写真なら、むしろ助かります!
(1)まとめ
①モデル登録フォーム入力〜面接の予約
・事前の説明をよく読み、不必要な問合せはしない
・Webやメールの扱いに慣れておく
②モデル面接本番「遅刻欠席NG・持ち物も完璧に」
・ドタキャンは即チャンス剥奪
・遅刻もNG。オンタイムか5分前に来る
・仕事についてのビデオをかならず見る
・当日の持ち物を忘れると、仕事のスタートが遅れる
③モデル面接「ファーストインプレッション」
・清潔感、においのケアは大事
・ボディラインのわかる服装で来る
・個性的すぎるファッションやメイクは避ける
・この業界で自分にどんなニーズがあるか想像して、それに合った服装を持参するのもあり
・外国人は民族衣装と着用した写真があるといい
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