大好きな日本映画、日本カルチャーにふれながら
パフォーマンススキルを高めていきたい
アメリカ出身のジョエル・Dさん。学生時代から日本映画に興味を持ち、2007年には関西外国語大学に1年間留学して、日本語と日本映画についても学びました。現在は、舞台、映画、CM、ボイスオーバーなど、多方面で活躍中。日本映画や日本人俳優への想い、そして今後の目標などをお聞きしました。
日本カルチャーに興味を持ったきっかけは忍者の存在
僕は日本の映画が大好きで、「いつか日本映画の歴史に名前を刻みたい!」と思っていました。若い頃から、日本のポップカルチャーにふれて、影響を受けていたんですね。そのカルチャーにもっと近づくために日本へ来ました。これは自分自身へのアプローチのような感覚とも言えます。
日本カルチャーに興味を持ったきっかけは、『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』ですね。日本映画ではないけれど、“忍者”の存在を知った作品です。そして『パワーレンジャー』にも影響を受けました。そのうち、忍者や成長物語系のコンテンツが大好きになっていったんです。正直な話、高校生のときに日本映画を観始めるまで、アジアの文化の違いに詳しくありませんでした。そこで、自分なりに調べて、日本・香港・韓国のそれぞれの映画の違いを把握していきました。一番初めに観た日本映画は『7人の侍』です。2004年から始めている僕のDVDコレクションの第一号です!他、好きな日本映画は『生きる』、『タンポポ』、『カリスマ』、『DISTANCE』、『県警対組織暴力』、『トラック野郎』、『ナイスの森 ~The First Contact~』、『茶の味』ですね。
演技とパンフォーマンスへの道は自然な流れ
エンターテイメントの仕事を始めた理由は……流れですね。高校時代まではディレクター志望だったんですが、舞台でパフォーマンスをする方が楽しいと気付いてから、演者の方にシフトしました。その頃から自分で短編フィルムを撮り始めて、舞台も続けていると、自然と主演映画やCMにも出演できるようになってきたんです。今では、僕がやるべきことは演技とパフォーマンスしかないと確信しています!
僕はコメディと体を張ったギャグが大好きです。よく鏡の前に立って、いろいろな表情の練習をしましたね。何事にも一生懸命取り組みたい理由としては、パフォーマンス後に、「死ぬまでやり切った!」と感じたいからです。中途半端だと自分自身に満足できないし、お客様にきちんと楽しんでもらえたとも思えないんです。とにかく自分を出し切ることを意識しています。その結果、アクの強い演技が自分の強みになっているとも感じていますよ。
あこがれの人は浅野忠信さんと寺島進さん
僕が大好きな日本人俳優は、浅野忠信さんと寺島進さん。このお二人と共演できたら、僕の人生はコンプリートしたとも言えますね!彼らの演技スタイルは臨場感がありつつ自然で、とても繊細に感じるんです。僕が学んできた演技論とは、全く別物です。
実は、浅野忠信さんとは、ある仕事でお会いすることができたんです。とても気さくで謙虚で、とにかくカッコ良かった!印象としては、「自分の仕事が大好きな普通の人」ですね。でも、もちろん普通じゃない。彼と話ができたのは数分だったけど、「あなたは僕のヒーローです」とも伝えました(涙)。感激の一言です。
日本の文化は面白い
今、世界中で一番興味のある場所は沖縄です。ビーチに座って、沖縄民謡を奏でる三線の音色に浸りたいですね。三線の音色はビューティフルですよ。
日本はとても面白い国だけど、ユーモアセンスに関しては理解できません(笑)。どうして人を叩いたり(ツッコミ)、何から何まで説明しなくてはいけないんだろう。
外国人が俳優として東京で成功するための5つのこと
東京で俳優としてのキャリアを積みたいと考えてる外国人にアドバイスするとすれば、大きく5つ。
「日本語を勉強すること!」
「楽しむこと!」
「時間を守ること!」
「よほどのことでない限り文句を言わないこと!」
「全てに優しくすること!」 以上だね!
もっと多くのお客様を喜ばせたい
東京でのナンバーワン出演番組は『菅田将暉TV』です。今後、もっとパフォーマンススキルを磨いて、たくさんのお客様を喜ばせたい。自分の好きなことでお金を稼ぎ、毎日を普通に暮らすことができれば、これ以上の幸せはないですね。
(TEXT:Joel D/TRANSLATION:Megumi Kutsuzawa/EDITOR:Write Design )