【MY STORY】”日本のポップカルチャーがあるから今の私がある” 女優・ハンナ・グレース

MY STORY

日本文化が生み出すストーリーに魅了されながら、
女優として日本でキャリアアップ

アメリカ出身のHannahさんは、美しい歌声が人気で、女優・シンガー・ナレーターとして活躍しています。ハキハキした性格で誰からも好かれる彼女は、実はオタクな性格がチラホラと顔を出すこともあるんです。アニメが大好きで、コスプレで物語の世界観を表現することも。日本の好きな俳優、日本で演じた最もお気に入りの役など、彼女独自の視点で日本を語ってもらいました。

日本のアニメに心を動かされました

私が日本に興味を持ったのは、日本独特のストーリーの伝え方に惹かれたことがきっかけです。その始まりは宮崎駿監督の『ハウルの動く城』!世界観、キャラクター、物語のすべてが私にとって衝撃でした。それからアニメだけではなく、映画、テレビ、小説、歌舞伎と興味がどんどん広がっていって、こんな素敵なストーリーを生み出す日本文化を知りたくなったんです。自分自身も女優として活動していたので、興味が沸き上がっていったんですね。そして思いきって訪日!日本に到着したときから、「ここがホームだわ!」と思えました。

正直に言うと、私はオタク気質があります(笑)!好きな漫画は高屋奈月さんの『フルーツバスケット』。自分の魂とリンクするくらい大ファンで、大学生のときはコスプレイベントに参加して演じたりもしていました。お気に入りのキャラクターはユキ。辛いことや落ち込んだりするときもあるけど、この漫画のおかげで頑張り続けることができています。高屋先生には感謝の気持ちでいっぱいです。アニメも漫画も、毎週新しいエピソードを楽しんでいます。超面白い!

たくさんの出会いのたびに演者として成長!

演技は子どもの頃から大好きでした。小学生のときは、学校の演劇会やミュージカルにも積極的に参加して楽しんでいました。当時から「私は女優」って意識していたかもしれません。16歳の時に初めてプロとしてミュージカルのオーディションに挑戦して、『Nunsense』のシスター・レオの役をもらいました。ショーに向けてバレエとタップダンスを練習が毎日続いて、すごく大変でしたが、とっても楽しかったことも事実!大学でも演劇を専攻して、今の自分があります。

日本でのエンターテインメント活動は、東京インターナショナルプレイヤーズで主演したことが始まりです。その時のショーをきっかけに、事務所やプロの人たちに出会えて、その方々がナレーションや演技の仕事を薦めてくれて、活躍の場が広がっていきました。もちろんうまくいかないときもありましたよ。でも、応援してくれる方々ともたくさん出会えて、
自分の可能性を信じて頑張って良かったと思っています。東京インターナショナルプレイヤーズで最初に主演を演じたのは『The Crucible』で、アビゲイル役。そのあとは『Little Women』でジョー役、『Into the Woods』の魔女役、最近だと『Chitty Chitty Bang Bang』でバロネス ボンバーストなど、色々演じています。

憧れの松田翔太さんとの出会い

私が好きなのは空想の世界だけではないです。日本の俳優では松田翔太が大好き!実は彼と共演したことがあって、当時は本当に興奮してしまいました。彼を初めて知ったのは、大学時代に演技の勉強をしていたとき。『ライアーゲーム』を観てから大ファンになったんです。それから、彼が出演する映画やドラマをいっぱい観ましたね。彼は本当に多彩な演技力を持つ俳優だと思っていて、クールからオタク系まで、どんなキャラクターも演じれるところが魅力的です。松田さんとお会いしたとき、とても親切に話しやすい雰囲気を作ってくれて、本当に嬉しかったです。英語も上手で紳士的で、私にとって忘れられない最高の一日となりました。

スコット先生は、私のキャリアで一番大好きな役

今のところ、日本で一番思い出に残っている番組は、NHK朝ドラ『花子とアン』ですね。私が演じたスコット先生は、私にとって一番大きな役で、キャリアアップにもつながりました。何よりも、作品のストーリーと自分の役が大好きでした!ミス・スコットの心情に共感できましたし、それを表現するためにいろいろな努力をしました。『赤毛のアン』は幼い頃からずっと大好きな本だったので、しっかりと表現したかったんです。

ドラマの中でも歌った『Water is wide』は、私の思い出の曲です。最初にその曲を歌った時は高校のコーラスで、初めて失恋をした翌年の出来事。だから、その曲は私とって恋愛のテーマ曲でもあったんです。そしてドラマで『Water is wide』を歌った年、私が結婚した年でもあるんです!運命を感じましたね。ドラマで歌うとき、夫を想いながら心を込めて歌いました。

タレントとして成功するための3つのこと!

タレントとして成功するためには、3つのことが重要だと思っています。まず1つ目は声と体を鍛えること。いろいろなスキルが求められるので、パフォーマンスのクラスを受けて、自分を高めることも重要ですね。例えルックスに自信があっても、しっかり自分磨きを続けないといけないと思います。

2つ目はスケジュール管理。スケジュール管理でミスばっかりしていると、信用を失ってお仕事の依頼をもらえなくなってしまいます。だから信頼を置けるマネージャーや事務所とタッグを組むことも重要だと感じます。

そして3つ目は、人に優しく、ポジティブに、礼儀正しく接すること。どんな仕事も一人で行うのではなく、チームの一員として行動します。良い作品を作るためには、全員で頑張らなければいけないから、チームの誰に対しても尊敬と協力する気持ちは必要。スター気取りなんてもってのほかです!

私の価値観を大きく変化させてくれた結婚

日本に来て一番驚いたことは、私自身の結婚ですね。自分には縁がないと思っていたから(笑)。結婚するまで、私はとても倹約家でした。でも、夫は旅行にお金をかけたり、「もっと楽しんでもいいんじゃない?」とアドバイスしてくれて、今ではたくさん旅行するようになっています。

生きている間に絶対行きたいと思っている場所はエルサレム。神と聖書を愛しているので、大事な意味を持つことがたくさん行われている場所を訪れたいです。とてもパワーに溢れてると聞くので、私も体感してみたいですね。

いろいろな場所でミュージカルの舞台に立ちたい!

今後の夢、目標は、もっといろいろなミュージカルに出演すること!日本、アメリカ、イギリスなど、場所はどこでも構いません。ただ、私は舞台に立つことが素直に好きなので、ミュージカルで演じてみたい役がいっぱいあります。例えば、『My Fair Lady』のエリザ役、『Anastasia』のアーニャ役、『The King and I』のアンナ役、『Beauty and the Beast』のベル役。これからも演じることを楽しみ続けていきます!

TEXT:Hannah Grace/TRANSLATION:Megumi Kutsuzawa/EDITOR:Write Design )

ハンナ・グレース/Hannah Grace
TOKYOという舞台で才能を磨き続けるアメリカ出身のアクトレス
所属事務所プロフィール