ダンサー・モデル・俳優・マルチエンタティナーとして、長年日本で活躍をしてきたスティーブン・A・ヘインズさん。来日のきっかけ、日本での芸能活動、美のカリスマトレーナーへの転身、そしてスティーブンさんが語る「美しさの定義」とは。今回はインタビューを3回に分けてお届けしていきます。第1回は来日のきっかけと日本での活動の思い出について伺いました。
おとぎ話が現実に
その日は突然やってきました。
サンフランシスコのディスコで踊っている時に、着物姿の日本人女性が私に近寄ってきて名刺を渡しました。日本で働かないかとスカウトされたのです。
実は以前ラスベガスのショーへの出演オファーをもらい、学校を休学して車も売って出発準備をしたにも関わらず、その話自体が実在せず実現しなかったという大変心が折れる経験をしたことがあったので、今回の日本行きオファーについても、初めは「おとぎ話みたい」と疑心暗鬼でした。
しかし母親の後押しもあって、そのおとぎ話が現実となり、私はダンサーとして日本へやってきました。それが私の夢の実現への最初の一歩となったのです。
日本で出会った友達との絆・友情
日本に来てから、夢を一緒に信じて実現させてくれる仲間・友達に沢山出会うことができました。
常に誠実に私に向き合って接してくれる仲間達、そして彼らの「友情」こそ、日本にきて一番良かったと思えることです。
「やりたいことがあればやりなさい、追求しなさい!」と教えられた
私は6人兄弟の賑やかな家庭で音楽とダンスと笑いの絶えない環境で育ったこともあり、幼い頃からずっと歌ったり、踊ったり、また俳優として活動したいと思っていました。
両親からも「出来ないことはない」と教えられました。「やりたいことがあればやりなさい、追求しなさい!」と。
経験こそ、人生の一番の学び
お金持ちにならなくても、お金をかけなくても、人生で得られることは沢山あると思います。経験こそ人生の一番の学びだと私は思います。
実は私はあまりトレーニングというものを受けたことがなかったのですが、幸いにも様々な仕事をする機会がありました。仕事での実践を通じて多くのことを学び、その経験がダンサーとして日本で仕事をすることに繋がっていったと思います。
日本(フリー・ウエイブ)での仕事の思い出
フリー・ウエイブに所属してから、本当に色々な仕事を経験させてもらいました。語り尽くせないほどの思い出があります。
思い出トップ5をあげるとするなら、まずは「ディスコショー」のお仕事です。沢山の人たちが踊りに来てくれました。笑顔に溢れて楽しい時を過ごしているお客様の姿を見ていて、私自身が幸せな気持ちになることができたのがとても印象的でした。
次に、社長の睦実さんから「ロッキーホラーショー」というミュージカルのロッキー役のオーディションに呼ばれた時のこと。実は金髪・青い瞳の白人男性のイメージで探している役だったのですが、なんと私が選ばれたのです!インパクトが鍵だったと思います。肌の色は関係ないということを証明できる機会でもありました。
他にも誰も想像もつかないようなことも経験させていただきました。女性下着メーカーの広告にモデルとして出演したり、髭剃りの広告に出演した時はスカイダイビングをしました。私の人生で空から飛び降りる日がくるなんて!しかも髭剃り器を持ったまま・・・(笑)
一番の思い出は、フジテレビのレギュラー番組「魁!音楽番付」にレギュラーMCとして出演させていただいたことです。音楽とダンスは私自身の一部なので、毎回とても楽しく特別なお仕事でした。
仕事を通じて自分の夢が叶い、出会い・友情が生まれたことに感謝しています。
どうかみなさんの暮らしの中にも、常に音楽がありますように!
(TEXT: Steven A Haynes)
第2回の投稿をお楽しみに!